その逆に、フランスのような発展した民主主義諸国が政治家にどの程度の国民生産を費やすのかを知ることはきわめてむずかしいのです。
これはCNRS[国立科学研究センター]の格好の研究テーマです。
政治家とメディアの人びととの関係は、政治家と企業の関係よりもおおっぴらで、かつ微妙です。
焦点は、メディアの人びとがあらかじめ掌握しているコミュニケーション回路(なによりもテレビ)を政治家が手に入れるということ・・・
しかし、この焦点は、資本主義諸国におけるコミュニケーション・セクターの組織化様式が驚くほど多様であることを示しています。
この動きには両極的な方向があります。
一つの方向は、テレビ企業を「国有化」する(現職の政治家によるテレビ企業の全面的な支配と読もう)方向。
もう一つの方向は、おびただしい数のテレビ局を冷酷な市場法則に従属した完全競争にほぼ近い状況に置くという方向です。
《政治家》にとっては、後者の状況のほうが前者よりも心地がよいのです。
後者の状況においては、政治家がテレビ画面を手に入れる全面的な自由が、政治家の権力ではなく、政治家の能力とりわけ誘惑の能力に由来するものとみなされています。
権力者の永遠の夢は、ひたすら自分自身が愛されることだからです。